現代美術用語辞典 1.0
「第1回シュルレアリスム」展
The 1st Exhibition of Surrealism
2009年01月15日掲載
1925年にパリのピエール画廊で最初のシュルレアリスムグループ展が開かれた。出展したのはH・アルプ、G・デ・キリコ、M・エルンスト、P・クレー、A・マッソン、J・ミロ、P・ピカソ、マン・レイらであった。ミロやマッソンは最初、文学的方法として用いられた、オートマティスム(自動筆記法)を絵画に適用して作品を制作した。エルンストは木や石などの表面に紙を当てて写し取る、フロッタージュによる作品を作りだした。またキリコはレアリスムの手法によって非現実的な情景を絵画化している。シュルレアリスムは20世紀の芸術運動の中でもっとも高度に組織化され、統制された運動であった。シュルレアリストという言葉はアポリネールによって最初に用いられ、A・ブルトンに引き継がれ、1924年の「シュルレアリスム宣言」で定義された。パリで起こり、パリを中心とした運動であったが、次第に国際的な反響を呼び起こしていくこととなる。
[執筆者:山口美果]