現代美術用語辞典 1.0

カラーフィールド・ペインティング

Colorfield Painting
2009年01月15日掲載

文字通り色彩によって「場」(フィールド)を強調した絵画で、そもそもC・グリンバーグがB・ニューマンの絵画を形容したこの語はその後、1950年代半ばから60年代後半にかけて、アメリカの「抽象表現主義絵画」において主流を占めた動向の名称へと転じた。代表的な作家としては、ほかにJ・ポロック、M・ロスコ、C・スティルらがおり、いずれもキャンヴァス全体に色彩をバランスよく配置してそれがフラットな面であることを強調し、その半面イリュージョンを否定し、また地と図の境界が存在しないという画面の性格において共通している。フォーマリズムの理念に忠実であり、またその想像力が拡大した産物であったこの動向は、かつてグリンバーグに倣って「ポスト・ペインタリー・アブストラクション」と呼ばれこともあったが、現在はこの呼称が定着。またその特質の多くが「ハード・エッジ」と共通していることから、E・ケリー、J・オリツキー、A・ラインハートらをこの動向に含めて考えることもできる。

[執筆者:暮沢剛巳]

現代美術用語辞典 2.0

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