2020年10月15日号
次回11月2日更新予定

現代美術用語辞典 1.0

アプストラクシオン・クレアシオン

Abstraction-Création
2009年01月15日掲載

1930年パリで開かれた最初の国際抽象美術展をうけて、「抽象―創造」と名付けられて結成したこのグループは、前年に結成されていた「セルクル・エ・カレ(円と正方形)」を引き継ぐものであり、創設の中心となったA.エルバン、G.ファントンヘルロー、A.グレーズらは、キュビスムデ・ステイルの出身であった。つまりこの運動は、20世紀初頭以来パリにおいて開拓された幾何学的抽象の継承者であるといえよう。とはいえ、グループの特徴は、造形的表現よりむしろ国際的な広がりと緩やかな組織性にあり、最盛時は400人を数えたメンバーのなかには、W.カンディンスキーや、国際構成主義のN.ガボ、A.ペヴスネル、ダダのH.アルプ,また日本から岡本太郎も参加していた。年報『Abstraction-Creation』を32年からグループが解散する36年まで刊行、画廊の経営など精力的に活動を展開していた。78年にパリ市立近代美術館で回顧展が開かれている。シュルレアリスムに代表されがちな30年代のパリの美術状況において、対置する抽象美術として注目すべき運動といえよう。

[執筆者:徳山由香]

現代美術用語辞典 2.0

▲ページの先頭へ

文字の大きさ