現代美術用語辞典 1.0
ロサンゼルス・カウンティ美術館
Los Angels County Museum
2009年01月15日掲載
1911年、ロサンゼルス市内に歴史・科学・美術博物館として開館し、1961年に美術館機能のみが独立して成立した美術館。展示施設は、常設展用のアースマン・ギャラリーと企画展用のハマーウィング・ギャラリーに分けられており、いちはやく現代の美術館機能を実践した美術館として高く評価されている。常設コレクションは、1940年代にW・L・ハーストが収集した陶磁器のコレクションが中心で、ほかに初期ルネサンスからキュビスムにいたるまでの多くの絵画の名品を収蔵、西海岸のコレクターの寄贈に多くを依存するそのコレクションは、同地区のコレクターの水準の高さにそのまま対応している。他方、企画展にも精力的で、1960年代以降その斬新な企画展は世界的な注目を集めた。現代美術の領域では、「プライマル・ストラクチュア」や「アゲインスト・ネーチャー」といったテーマ展がとりわけよく知られている。
[執筆者:暮沢剛巳]