現代美術用語辞典 1.0

ポップ・アート

Pop Art
2009年01月15日掲載

1960年代、抽象主義に反抗してニューヨークを中心に生まれた美術と、50年代からのロンドンの活動がある。アメリカン・コミックスを拡大して描くR・リキテンスタイン、《キャンベル・スープ》のA・ウォーホル、そしてT・ウェッセルマン等が代表例。従来の芸術が保ってきた、ある種の品格・聖性を、きわめて日常的なイメージに置き換えたニューアート。表現の題材やイメージを徹底して大衆社会の世俗性に求めている。ブリティッシュ・ポップが芸術論的だったのに対し、アメリカのそれは、反芸術的な志向のもとに新聞漫画、商業デザイン、映画のスティール、テレビなど、大衆社会のマス・メディアのイメージを積極的に主題に取り上げた。その明確で強固なスタイルゆえに一世風靡したが、やがて次代のラディカリズムであるミニマル・アートに乗り超えられて、前衛芸術としては急速に衰退していく。R・ヴェンチューリ、アーキグラムなど、当時の建築家たちの方法に影響を与えた。

[執筆者:福若郷子]

現代美術用語辞典 2.0

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