現代美術用語辞典 1.0
ホワイトチャペル・ギャラリー
Whitechapel Gallery
2009年01月15日掲載
1901年、国内外を問わず同時代の美術を広く一般に紹介するために英国文化庁が創設した、コレクションを持たない元公営ギャラリー。企画の方向性に関しては歴代のディレクターの采配が大きく、第2次大戦後に前衛色を強め、70年代以降は特にフェミニズムや異文化における現代美術と、国内の新人作家の紹介を重点的に行なっている。現在はアート・カウンシルから資金提供を受けつつ独立し、 E・ノルデからB・ヴィオラやT・シュッテにわたる研究性の高い個展のほか、独自の視点をもった企画展で注目を集める。また、元来前述のような目的のため比較的低所得者層の生活地域であるイーストサイドに設立された同ギャラリーは、その場所性を活かし、周辺の作家アトリエやギャラリーと共同で無名の現代美術作家を多数紹介するアニュアル・イヴェント「ホワイトチャペル・オープン」を開催し、毎年大きな注目を集めている。
[執筆者:三本松倫代]