2020年10月15日号
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現代美術用語辞典 1.0

マイクロマシン

Micro Machine
2009年01月15日掲載

数ミクロン、コンマ数ミクロンという精度の微小機械の総称。もちろん、このような微少な単位の機械は、人間の手作業によって組み立てることはおろか、肉眼で認識することすら不可能であり、電子顕微鏡などのスコープの発達、あるいはシリコンや光造形法などの微細加工技術によって初めてその可能性を追求しうるようになった。今やマイクロ化技術は、最先端のコンピュータなどには欠かせないし、今後のさらなる発展が期待される分野でもあるが、その原型は人間の身体へと遡ることができるだろう。すなわち、ミクロの単位に縮小された人間が病の治療のために患者の身体へと送り込まれた情景を描いた映画『ミクロの決死圏』(1966)をはじめ、手塚治虫の『ミクロマン』や、『ウルトラセブン』における怪人ダリなど、まだ「マイクロマシン」の開発が現実的に進められる以前のSF作品には、むしろ人間がミクロ化される未来像を描いたものが多いからである。現代のテクノロジーをもってしても、人間のミクロ化は未だ実現されていないが、あるいはその達成が「マイクロマシン」の最終段階なのかもしれない。いずれにせよ、今後この分野の研究の進展が期待される。

[執筆者:暮沢剛巳]

現代美術用語辞典 2.0

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