現代美術用語辞典 1.0
バウハウス
Bauhaus
2009年01月15日掲載
1919年、ドイツのワイマール市に開校された、造形芸術学校。初代校長で建築家のW・グロピウスは、「生活機能の総合場である『建築』のもと、彫刻・絵画・工芸などの諸芸術と職人的手工作など一切の造形活動を結集して、芸術と技術の再統一を図る」という教育理念のもと、新しい教育システムを実施した。教授陣としては、画家のW・カンディンスキーやP・クレー、J・イッテンやモホリ=ナギ、陶芸家のG・マルクス、そして舞台芸術家のO・シュレンマー等がいた。デザイン運動のひとつの頂点を形作ったものとして高く評価されており、グラフィック・デザインおよび家具デザインの分野にその成果が認められる。26年には、グロピウス自身が設計したデッサウの校舎に移転。近代工業が発展しつつある当時において、その生産形式・生活様式に応じた芸術のあり方を示した。その後、校長はH・マイヤーを経てミース・ファン・デル・ローエに代わるが、33年にはナチスの圧力でその幕を閉じてしまう。その後もその理念はシカゴの「ニュー・バウハウス」における運動とドイツのウルム造形大学におけるデザイン運動へと継承されていった。
[執筆者:福若郷子]