2020年10月15日号
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現代美術用語辞典 1.0

パリ万国博覧会(1937)

Paris World Fair 1937
2009年01月15日掲載

1855年に初めて開催されて以来、パリでは計6回の万国博覧会が開催されている。もちろんこれは万博史の中でも群を抜く回数であり、フランスが万博を極めて重視していたことを示す統計上の指標ともなっているが、なかでも、1937年に開催された6度目の万博は最も重要なものとして位置づけられる。というのも、「現代生活における技術と芸術国際博覧会」というその正式名称とは裏腹に、同博覧会では各国が競って最新技術を披露することはほとんどなかったが、多様な夜間照明や「宣伝・広告」が初めて独立したパヴィリオンを設けられるなど、資本主義の発展段階に対する新しい万博の在り方が示されたからである。またスペイン館にP・ピカソの《ゲルニカ》が展示されたり、ドイツ館の建築をファシストであったA・シュペーアが手がけたりと、同博の展示には随所に来るべき第2次大戦を予見させる契機がちりばめられており、事実、ムッソリーニが同博を意識して1942年に開催を決定したローマ万博(EUR)は戦時下のため幻のままに終わった。なお同博は、紆余曲折の末坂倉準三が設計を担当した日本館がグランプリを受賞したことによっても知られている。

[執筆者:暮沢剛巳]

現代美術用語辞典 2.0

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