2020年10月15日号
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現代美術用語辞典 1.0

バレエ・スエドワ

Ballet Suedois
2009年01月15日掲載

1920年11月25日、シャンゼリゼ劇場で旗揚げ公演を行ない、1925年3月17日付で解散宣言を行なった、5年間だけ存在したバレエ団。スウェーデンの裕福な大地主ロルフ・ド・マレが主宰していた。彼はバレエ・リュスの活動へ関心をもっており、その時期スウェーデンに招かれていたバレエ・リュスの中心的振付家M・フォーキンの勧めにより結成を決意した。カンパニーはスウェーデン王立バレエ団のダンサーを中心に結成された。 カンパニー名にはスウェーデンとあるが、スウェーデンのフォークロア調のものでなく、むしろ黒人文化やジャズ的要素など20年代パリの最先端の流行を取り入れた作風で知られた。パリのシャンゼリゼ劇場を買収して拠点とし、西欧各国、アメリカで活動した。母国で公演することはなく、スウェーデンでは長らく造反者の集団とみなされていた。 中心人物はJ・ボルランで、彼が振付、ダンサーの教育、プリンシパルの三役をこなした。ボルラン振付により、J・コクトー台本、6人組音楽による『エッフェル塔の花嫁花婿』やR・クレールの映画を用いたバレエ『本日休演』等24作品を初演した。また、ニジンスキー初演の『遊戯』の再演をボナールの美術と衣装で行なった。美術には前述のほか、F・レジェ、デ・キリコ、F・ピカビア、藤田嗣治らが協力している。 しかし、当時、バレエ・リュスに脅威与えた最大のカンパニーでありながら、あまりにも「当時にあって前衛」だったため、以後ほとんど忘れられた。

[執筆者:芳賀直子]

現代美術用語辞典 2.0

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