2019年09月15日号
次回10月1日更新予定

現代美術用語辞典 1.0

ミュンスター彫刻プロジェクト

Skulptur Projekte in Münster
2009年01月15日掲載

ドイツ西北部のミュンスター市で1977年以来10年毎に開催される、現代美術の作家を招聘して市内の公共空間に作品を発表させるプロジェクト。ドクメンタにほぼ時期を合わせ夏から秋の約3カ月間、インスタレーション展示のほか、パフォーマンス、メディア・アート、コンセプチュアル・アートが行なわれる。
60年代に市がH・ムーアの野外彫刻の寄贈を拒否したことから生じた公共性と芸術を巡る議論が、70年代に市内中心部のヴェストファーレン州立美術館館長クラウス・ブスマンとキュレーターのカスパー・ケーニヒによって美術館の内外にわたるプロジェクトへと発展した。第1回の参加作家はC・アンドレ、M・アッシャー、J・ボイス、D・ジャッド、R・ロング、B・ナウマン(構想のみ)、C・オルデンバーグ、U・リュッケンハイム、R・セラの9名。87年にはR・ホルン、H・ハーケら64名(48カ所)、97年には73名/グループ(61カ所)が作品を発表、日本からは川俣正と曽根裕が参加した。 当初から実現しない「構想」参加作品がしばしば見られるように、ミュンスターの公共性、空間性(同市は第二次世界大戦後に歴史的な町並みを復元した大学都市であり、大聖堂や宮殿、人工湖を有する)と表現を相互要素として作品化する各芸術家の行為の集積は、単なる「野外彫刻フェスティヴァル」にとどまらない。

[執筆者:三本松倫代]

現代美術用語辞典 2.0

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