2019年11月15日号
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現代美術用語辞典 1.0

ピス・ペインティング

Piss-Painting
2009年01月15日掲載

1970年代後半からアンディ・ウォーホルが、自分や友人たちの小便を用いて描いた絵画。正式にはオキシデーション・ペインティング(酸化絵画)という。枠張りしたカンヴァスに溶剤を塗布し、それを床置きにして、上から直接小便をかけて腐食させたものである。映画『バスキア』の中でウォーホルを演じたデヴィッド・ボウイが実演している。小便の作用で腐食した個所が銅色から緑青色に変色し、作品全体が一種異様な美しさをたたえている。排泄物を使用した芸術作品としては、デュシャンの精液を用いた作品やピエロ・マンゾーニの《芸術家の糞》の系列に属しており、反芸術的な身振りとしてはとりたてて先進的なものではない。むしろ、制作方法も含めてこの作品がコノートしているものとして、ジャクソン・ポロックのポアリング絵画との関係を見ておくほうが正しいであろう。また、ウォーホルの同時期の作品であるロールシャッハ・テスト・シリーズにも見られるような無定形なものへの指向も窺われる。

[執筆者:平芳幸浩]

現代美術用語辞典 2.0

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