現代美術用語辞典 1.0

構成主義

Constructivism / Konstruktivizm
2009年01月15日掲載

ロシア革命前から1920年代にかけてソ連で展開した芸術運動。13年にV.タトリンが、P・ピカソやシュプレマティズムの影響から始めた鉄板や木片によるレリーフを「構成」と呼んだのが発端で、これは彫刻の歴史上初の完全な抽象彫刻であること、量塊ではなく空間を表現した彫刻であることなどの点において革命的であった。しかしながらこうした視覚的、美術的要素は、17年のロシア革命の実現後に教義と化し、社会主義国家建設のための政治力として確立されることとなった。A・ロドチェンコやE・リシツキーは工業デザインに精力的に携わり、タトリンは《第三インターナショナル記念塔》を計画。これらの非再現的表現、機械・工業的表現に基づく幾何学的イメージから、彼らが「絵画」をブルジョワ文化の象徴として否定し、工業化・大衆化によるユートピアの建設を目指していたことが窺えよう。20年代半ばを過ぎると共産党中央委員会によって抽象美術が否定され、代わって社会主義リアリズムが台頭し、ロシア国内での構成主義は終結を余儀なくされたが、20世紀初頭のヨーロッパの前衛美術運動への影響は多大で、また芸術の政治化を忌避したN・ガボ、A・ペヴスネルらのメンバーは、国際構成主義として西欧に赴き、幾何学的抽象の波及に大きな影響を与えた。

[執筆者:徳山由香]

現代美術用語辞典 2.0

▲ページの先頭へ