2019年09月01日号
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現代美術用語辞典 1.0

フルクサス

Fluxus
2009年01月15日掲載

1961年、G・マチューナスはニューヨークのA/Gギャラリーで「フルクサス」と題する招待講演を開催したが、本来「流動」や「変転」を意味するこの用語は、その後60年代を通じて欧米各地で展開された特異な芸術運動の総称として定着した。「フルクサス」の活動は一回的な“行為”を特徴とすることで知られるが、と言ってもそれは50年代にJ・ケージやA・カプローが展開した「ハプニング」とは異なり、より日常的なその“行為”の性質は「イヴェント」と呼ばれ区別される。他方「フルクサス」は、美術家に限らず、詩人、作家、音楽家などさまざまなジャンルの芸術家が関与した広範な運動でもあり、その性質を特定の様式へと還元することは不可能だ。わずか3年間しかこの運動と関わらなかったJ・ボイスが今でも代表的な作家のひとりとみなされるのは、運動が拡散していった70年代以降、多くの作家が彼と同様に「コンセプチュアル・アート」へと移行していったからであろう。

[執筆者:暮沢剛巳]

現代美術用語辞典 2.0

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