現代美術用語辞典 1.0

ル・フレノワ

Le Fresnoy
2009年01月15日掲載

北フランスのノール・パ・ド・カレ地方のトゥルコワン市に所在する1994年に開設された現代美術の教育・展示施設で、正式名称は「ル・フレノワ国立現代芸術スタジオ」。そもそもこの施設は1920年代に開設された複合レジャーセンターであり、屋根ですっぽりと覆われた6000平方メートル以上の広大な敷地内には、映画館、ローラースケート用リンク、プロレス会場、ダンスホールなどが設営され、地元市民の娯楽の場となっていた。70年代以降、レジャー文化の変容と施設の老朽化によって寂れてしまって以後は、若手アーティストの展示会場として活用されていたが、そのユニークな利用形態に注目した写真A・フレッシャーが「ル・フレノワ」の再活用を提言、文化庁や市の協力を得てその再建に尽力し、装いも新たに開設された現代芸術スタジオの芸術監督に就任した。メディア・アートの教育に力を入れているのが大きな特色で、MITメディア・ラボやZKMとの提携、国際的に著名な講師の招聘など積極的なプログラムを推進、今や同市の国際戦略を担う拠点施設でもある。なお、開設前に行なわれた施設の改築コンペでは、B・チュミの斬新なプランが当選した。

[執筆者:暮沢剛巳]

現代美術用語辞典 2.0

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