現代美術用語辞典 1.0

ネオ・ダダ

Neo-Dadak
2009年01月15日掲載

1958年に、R・ラウシェンバーグやJ・ジョーンズらが発表した一連の作品に対し、美術評論家H・ローゼンバーグが名付けた名称。今世紀前半のダダイズムに影響を受け、日用品や廃物を作品に取り込むアサンブラージュなどの技法を積極的に用いる。50年代前半に頂点を迎えた抽象表現主義等ハイ・アートへの批判から、芸術と非芸術、さらに芸術と生活の境界を取り払うことを目的としていた。J・ジョーンズによる、星条旗をモチーフとした《旗》や台座に乗せたビール缶をブロンズにした作品《塗られたブロンズ(ビール缶)》には、現代人にとって不可欠の環境である大量消費社会に対する皮肉めいた視線も窺え、後のポップ・アートへの展開の契機ともなっている。同時期のフランスでは、アルマンやセザール等ヌーヴォー・レアリスムの作家たちが、ネオ・ダダと共通した主張や手法を提示していた。

[執筆者:苅谷洋介]

現代美術用語辞典 2.0

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