現代美術用語辞典 1.0
豊田市美術館
Toyota Municipal Museum of Art
2009年01月15日掲載
1992年11月、トヨタ自動車を中心とする企業都市から「産業文化交流都市」への脱皮を図る豊田市に開館した市立美術館。97年にニューヨーク近代美術館の増改築案のコンペで1等を取った谷口吉生が設計し、ガラスや白い壁といったモダンな建築言語を用いつつも、空間の広さ、天井の高さ、照明の採り方に変化をつけることで、均質でない空間を実現している。現代美術を動線の始まりに置く、移動壁を使わないという点も特徴的である。コレクションは、現代美術、近代美術、デザインをテーマとしており、日本でも数少ないデザインのコレクションを有する美術館である。一作家につき複数の作品収集することをめざしている。また、J・ホルツァー、J・コスース、S・ルウィット、斎藤義重のコミッション・ワークがある。自主企画を中心とする企画展は、十分な準備期間を確保するため、1年に約3回ほどに絞っている。漆工芸の高橋節郎館が併設されている。
[執筆者:鷲田めるろ]