現代美術用語辞典 1.0
東京都現代美術館
Museum of Contemporary Art,Tokyo
2009年01月15日掲載
1995年、東京都木場に開館した現代美術館。設計は柳沢孝彦を代表とするTAK建築・都市計画研究所。作品、および展覧会の大型化に伴い、3フロアにわたる約4000平方メートルの企画展示室、2フロアにわたる約3000平方メートルの常設展示室という、巨大な展示室を持つ。それにより、「建築の20世紀」展(ロサンゼルス現代美術館企画、1998)、「アクション」展(ロサンゼルス現代美術館企画、1999)など、海外で組織された大規模な展覧会の巡回受け入れが可能。その反面、総工費400億円以上をつぎ込んだ巨大な建物は、財政難に直面する東京都の財政建て直しにあたり、「無駄遣い」の象徴として批判の対象ともなっている。これまで、アンソニー・カロ(1995)、アンディ・ウォーホル(1996)、ジャスパー・ジョーンズ(1997)、マーク・ロスコ(1996)、河原温(1998)、草間彌生(1999)など現代美術の巨匠の回顧展を開催する一方で、1999年より始まった「MoTアニュアル」など、新しいアーティストを評価してゆく自主企画展も行なっている。また、ロイ・リキテンスタイン《ヘア・リボンの少女》など、現在約3500点のコレクションを有する。このうち約3000点は、上野の東京都美術館から引き継いだもの。図書室も充実しており、65000冊ほどの美術関連図書、カタログ、および約2000タイトルの雑誌を収蔵している。
[執筆者:鷲田めるろ]