この度cumonosでは初めてとなる深川未貴による個展【ライフ・イン・石引】を開催いたします。
 深川未貴は、2019年に嵯峨美術短期大学専攻科洋画コースを卒業後、2021年に京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程を修了し、福井、大阪、京都などで個展やグループ展を重ねて現在は石川県に身を置きながら制作を続けています。
 深川は、自身の生活の中で目に留めたものの捉え難いが気になる形たちが、「何」であるかという手前にあるイメージそのものについて、絵画、粘土、新聞紙、ボンドなどを用いて表現を試みています。そこでは、一つの事象をきっかけに深川が巡らせた様々なイメージや言葉(文字)の線が踊り混ざり合い刻まれていくようです。それらは平面とも立体とも言い難い何であるかという表象をもはや遠ざけるような特異な存在感としてそこに現れます。
 今展では、深川自身が現在身を置く金沢市石引での生活の中で見過ごすことの出来なかったモチーフから制作された作品で構成されます。深川の独自の世界観をぜひご高覧頂けましたら幸いです。 /cumonos

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2023年の春、石川県金沢市石引に移住してみた。ここでの生活の中で、見つけたものがある。近所の「ライフ・イン・石引」という名前のアパートの前に捨ててある、気味の悪い全身鏡、バスで見かけた男の子のこと、近所に咲くもりもりしたカシワバアジサイなど、ここでの暮らしとともに、気になるものに出会ってきた。
今、それらを形に残したいと強く感じている。形になったものたちは、一人暮らしの私の部屋と、このまちを繋いでくれる。 /深川 未貴