スイス現代美術を代表する映像インスタレーション作家、イヴ・ネッツハマー(1970- )は、デジタル・アニメーションの無言劇に風変わりなオブジェを掛け合わせ、理不尽に苛まれながらも世界や自己の霧散しかけた根拠をめぐってさまよう者の姿を、繊細に描き出してきました。
見えない空気のざわめきをひそやかな震えへと翻訳する木々の葉たちの呼びかけのように、作品が置かれる土地や建物の、記憶の奥にゆらめくもの。触れかかるその影にネッツハマーが感応するとき、作中にしばしば現れるのが、深層へと潜る、特徴的な身振りです。
日本で最初の個展となる本展は、「潜る人」ネッツハマーと、大谷石採掘場という巨大な地下空洞を宿す街、宇都宮との出会いから生まれました。これまでの代表的な映像作品を紹介するとともに、現地で制作する大がかりな新作インスタレーションを披露します。単館開催につき宇都宮でしかご覧いただけない光景をぜひご堪能ください。[美術館サイトより]