渡辺豊重(1931-2023)は、明るい色彩とユーモラスなかたちを変奏させ、多くの作品を生み出した美術家です。その表現は絵画や版画、彫刻のみならず、アトリエや展示室を飛び出してパブリックアートにもおよびます。渡辺は神奈川県川崎市に長く暮らしたのち、1990年代に那珂川町にアトリエを構え、2000年頃に拠点を移しました。自然に囲まれたアトリエで伸びやかな作品を制作する一方で、都会と地方の格差や社会の矛盾に気付き、その怒りや強い感情をも表現に変え「鬼」のシリーズを生み出しました。渡辺は社会や圧倒的な力にたちむかいながらも、作品の軽やかさを失わず、新たな表現へと踏み出すのです。本展では、渡辺が探求した、いろ、かたち、ひかりの表現をたどり、その豊かなる画業を顕彰します。[美術館サイトより]