この度GASBON METABOLISMでは、USUGROW個展「踊る線、祈る線」を開催いたします。USUGROWは、ドローイングやカリグラフィを軸に、ストリートカルチャーと密接に結びついた表現を長年にわたり展開してきた作家です。1990年代初頭、アンダーグラウンド・ミュージックシーンで活動を開始し、音楽、スケートボード、アパレルなど多様なカルチャーと横断的に関わりながら、独自の制作姿勢を築いてきました。

その根底にあるのは、DIY(Do It Yourself)の精神です。既存の制度や文脈に依拠するのではなく、自らの生活や環境と折り合いをつけながら制作を続ける姿勢は、作品の在り方そのものにも強く反映されています。細密な点描によるドローイング、無国籍的な書体によるカリグラフィ、そして墨や線によるミニマルな表現は、ストリート由来の衝動と静かな精神性を内包しています。

本展では、これまでGASBON METABOLISMで展示され、多くの来場者に強い印象を残してきた大型作品《涅槃像》を中心に構成します。本作は、2024年4月にGASBON METABOLISMでの滞在制作を通して制作された、おおよそ3m×5mにおよぶ大型作品です。これまで象徴的に展示されてきたこの作品を起点とし、アーカイブ作品から未発表のライブペインティング作品といった過去作を再構成し、展開します。研ぎ澄まされた線と大きく静かな涅槃像にゆっくり向き合っていただけたら幸いです。

USUGROWの描く緊張感のある線そして余白、反復の行為が持つ時間性や身体感覚によって成り立つ作品群は、単なる鑑賞対象として完結するのではなく、制作の痕跡や思考のプロセスを内包した「行為の記録」として空間に存在します。更新され続けている表現を現在の視点から見つめ直す本展をぜひこの機会にご高覧ください。