江戸時代後期、『絵本太閤記』の刊行で豊臣秀吉を主人公とする太閤記物が人気を博し、人形浄瑠璃や歌舞伎、講談の題材となり、浮世絵にも多く描かれました。しかし評判が災いし太閤記物は徳川幕府への批判に繋がるとして処罰の対象となり、その人気はしばらく下火となりましたが、出版統制が緩んだ幕末に再び盛んに制作されるようになりました。その一つ、歌川芳艶の《瓢軍談五十四場》は、『絵本太閤記』に基づき秀吉の一代記を描いた浮世絵版太閤記です。蜂須賀小六との出会いから小田原城落城までを描いた54図からなり、秀吉の優れた才覚を示すエピソードや賤ケ岳の戦いなどの名場面のほか、安土桃山時代の武将の活躍もとりあげています。
このたびの展覧会では、《瓢軍談五十四場》を通し、農民から天下人にのしあがり、江戸時代の人々を惹きつけた秀吉の出世譚とともに、魅力あふれる豪傑たちを紹介します。