西村一成(1978年生まれ、名古屋市在住)は、かつて生死の境界に触れるような経験をしたことがある。その後、日々の独白のような絵画制作を通して、イメージの中に壊れやすい生の姿を掘り出してきた。そこにはしばしば、骸骨、亡霊、肉塊、怪物、妖怪のような異形のものどもが現れる。しかしそれらは死の世界の表象ではない。むしろ、生き延びた者だからこそ分かる、切実さや滑稽さ、かくも尊い生への感謝の念から現出した、ユーモアと直観性の入り混じるイメージだ。それは、説明や物語を介することなく、ただ絵画そのものの強度によってのみ見る者に迫り来る。死は遠ざけられない。生は不安定だ。それを見据えたまま、生き延びて描こうとする画家の衝動が剥き出しになっている。最近作約40点発表。ドキュメンタリー映画『かいじゅう』公開後では初の新作発表となる。