手ぬぐいは、江戸時代から暮らしの中で親しまれてきましたが、その生地には「小巾(こはば)」と呼ばれる日本特有の幅の狭い織物が用いられ、着物の反物を必要な長さに切り分けて使うのが一般的でした。端は縫わずに切りっぱなしのままにするのも、手ぬぐいならではの特徴です。
一枚の手ぬぐいには、人物、風景、物語、文様など、さまざまな世界が染め表されています。そうした印象を大きく左右するのが、画面の構図です。先人たちも、手ぬぐい特有の細長い画面に図柄をどのように配置するか、工夫を重ねてきました。何を大きく見せるか、どこを切り取るか、余白をどのように生かすかによって、作品の印象は大きく変わります。
本展では、手ぬぐいに見られる構図の工夫に焦点を当てます。大胆な切り取りや余白の生かし方、視線の流れ、画面全体に広がる動きに注目し、手ぬぐいならではの表現の魅力をご紹介します。