天皇の代理として伊勢神宮におもむき、天皇と国家の安寧を祈った斎王。賀茂斎院は、この伊勢神宮の斎王(伊勢斎宮)にならって、平安時代、王城鎮護の神とされた賀茂神社に遣わされた斎王で、「アレヲトメ」とも呼ばれました。

選子内親王は、円融天皇から後一条天皇までの5代57年にわたって賀茂斎院を務めたことから、後世「大斎院」と称されました。選子の斎院御所は、歌人や貴族たちが出入りする風雅な社交場の一つとして、清少納言が仕えた一条天皇皇后の定子、紫式部が仕えた中宮彰子らが展開した後宮のサロンに匹敵する、華やかな宮廷文化が花開いた場でもありました。

この展覧会では、「大斎院」選子に注目し、選子の生きた時代の様相や賀茂斎院が登場する『源氏物語』の美術作品、現代に継承されてきた賀茂祭(葵祭)を通して、多様な賀茂斎院の世界を紹介します。