岩絵具や墨、和紙等古典的な技法を用いて、
まだ描かれていない“地獄”を現代に描き起こす
地獄絵師・戸田伸英の個展を開催します。

生前の罪が死後の苦しみとなる因果応報の教えを伝えるために
古来より描かれてきた「地獄絵」。
語り手が仏画を前にそこに描かれる内容をわかりやすく伝える行為を
「絵解き」といいますが、地獄絵もまたそのように解かれる絵画でした。

「地獄絵」と聞くとおどろおどろしい怖い世界を想像されるかもしれません。
しかし、幼少期に絵本から地獄を知った戸田さんの描く
「地獄絵」にはどこか優しさが潜んでいます。

“一見残酷に見える「鬼」も
子どもをいじめたおとなを懲らしめているとしたら・・・“

長い年月語り継がれてきた地獄の物語る”救い”について
偏見のないまっすぐな目をもつお子さんとも
語り合える時間を持っていただける展示です。

経典に書かれている地獄の責苦は
全てが絵画として描かれてきたわけではありませんでした。
戸田さんは現存する地獄絵から鬼や動物等を自らの筆によって写し集め、
それを使って未だ描かれていない地獄を描き、
日本における地獄のイメージを補完しようと活動されています。

目を背けたくなるのに、なぜか目を離せない、
人間の業や罪が渦巻く未完のあの世。
悪い人間を懲らしめる鬼たちの恐ろしさの裏にあるものは何か
じっくり解きにいらしてください。


《戸田伸英(とだ・のぶひで)》
1993年兵庫県生まれ。
2020年金沢美術工芸大学 大学院絵画専攻日本画コース修了。
神山財団奨学金芸術支援プログラム第五期生。
現在は東京を拠点に活動している。
古典の地獄絵からサンプリングをし、
それを用いた絵画制作を行う。

▼主な展示
〈卒展セレクション〉(金沢アートグミ/2020)
〈風の中の風の音〉(天徳院/2023)
〈ギャラリーを閉める、蔵を開く〉
(アートギャラリーものかたりまれびとレジデンス/2024)