今年、女子美アートミュージアムは開館25周年を迎えました。これを記念し、当館の染織コレクションの中から「更紗[さらさ]」に焦点を当てた展覧会「女子美更紗帖」を開催いたします。 更紗は、インドを一大産地として、手描きやブロックプリント(木版染め)で色あざやかに文様を染め上げた布です。エジプト、ペルシア、ヨーロッパ、そして日本を含めたアジアの諸地域など、世界各地にもたらされ、人気を博しました。丈夫な木綿布を用いた更紗は、人々の暮らしを彩り、やがて古びてゆく実用の布でもありました。  日本においては、特に茶道や好古の文化の中で珍重されました。小さな裂きれの一片までもが収集・鑑賞の対象となり、裂帖[きれちょう]として仕立てられ、保存されたのです。当館に伝わる『古雅佐羅紗帖[こがさらさちょう]』は、そうした裂帖のひとつです。 本展では、当館所蔵の更紗の中から選りすぐりの作品をご紹介します。絵画のように自在に「描かれた」布が伝える手仕事の痕跡をたどりながら、さまざまな文化の中で愛された更紗の世界をご覧ください。