BlackBoxKyotoでは、アーティスト宇佐美奈緒の個展《傷ついた皮膚の解像度》を開催いたします。

宇佐美奈緒は、3DCGを用いたビデオゲームや映像作品を通じて、ジェンダー、人種、階級などの社会的なカテゴリーに規定されない身体のあり方を探求してきました。プレイヤーが自らの進む道を選択できるゲームの特性に着目し、他者や人間以外の存在の視点を追体験することで、既存の価値観や身体の境界を問い直す作品を制作しています。

宇佐美奈緒個展《傷ついた皮膚の解像度》では、ビデオゲームプロジェクト《I stitch my skin to the ground》(2023)、映像作品《Clean Up My Pixels》(2025)、ミクストメディア作品《Pixel Animation》(2019)の3作品を展示・上映します。

《I stitch my skin to the ground》は、性暴力による身体の喪失感や、ジェンダーのカテゴリーを超えた身体の可能性をテーマとする2つのゲーム作品から構成されています。プレイヤーの操作とキャラクターの行動が乖離する体験や、人間・動物・植物・機械が融合する世界を通して、身体の自由とその制約を問いかけます。

《Clean Up My Pixels》では、ディープフェイクポルノや盗撮、リベンジポルノなどのデジタル性被害を題材に、3DCGアニメーションと公共空間でのパフォーマンス映像を組み合わせ、デジタル空間に拡散された情報と身体に刻まれた記憶の関係を描きます。また、《Pixel Animation》では、小型モニターに映し出される水のアニメーションを通じて、ピクセルというデジタル画像の最小単位と、その表現の可能性に目を向けます。

これらの作品を通して、デジタル技術が私たちの身体感覚や他者への想像力にどのように作用するのかを考察するとともに、身体の境界を超えた新たな存在のあり方を探ります。

また、11月21日(土)には、美学・芸術学、映像メディア論を専門とする関西大学文学部教授・馬定延氏を迎え、宇佐美奈緒とのギャラリートークを開催します。作品の制作背景やデジタルメディアを用いた表現について、作家と研究者双方の視点から考察します。

【関連イベント】

ギャラリートーク「宇佐美奈緒 × 馬定延」

日時:2026年11月21日(土)18:00–20:00(予定)

会場:BlackBoxKyoto

参加費:現地参加 1,500円(作品鑑賞料込み)、オンライン配信 1,200円

※参加申込み等の詳細は公式サイトにてご案内いたします。

【アーティストプロフィール】

宇佐美奈緒

東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修了。愛知県立芸術大学美術学部メディア映像専攻講師。

近年は3DCGを用いたゲーム制作を中心に、ジェンダーや人種、階級などのカテゴリーからの脱却と、身体の拡張や人間以外の存在との融合を通じた新たな身体の可能性を探求している。

主な活動に「TOKASレジデンス成果発表展」(2026年)、「TOKAS-Emerging 2023」(トーキョーアーツアンドスペース本郷、2023年)など。2024年「アルスエレクトロニカ2024」New Animation Art部門 Honorary Mention受賞。