【概要】

この度、フラットリバーギャラリーでは樋口朋之「Pulse/Phase」展を開催いたします。
 樋口朋之のグラフィカルな絵画作品は、一見スタイリッシュで緻密に計算されているようにも見えますが、どこかアンコントローラブルで不器用な雰囲気も併せ持っています。
 反復する線や円、幾何学的な形の集積、そしてトレースされた図像の断片の様に思える表層。それらは加算によって構成されたものではなく、余分な要素を減算していくことでイメージを追い込み、偶然という名の必然によって平面上に顕在化させ造形されているようでもあります。その画面からは、オルタナティブロックやポストパンクに見られるような反復が生むリズム感、わずかなズレが醸す緊張感といったテイストを感じることが出来るかもしれません
 本展では、小型衛星に搭載されている「折り紙展開アンテナ」をモチーフとして起用されています。タイトルであるPulse(脈動、鼓動)/ Phase(位相)から、反復するイメージの連続性や、ひとつの平面の中でズレながらも折り重なるレイヤー構造を示唆しています。まるで類似性を有しながらも少しずつ違う日常生活における揺らぎの様でもあります。画面から感じられる脈動や位相の変化が生み出す振幅性を楽しんでいただければ幸いです。 

フラットリバーギャラリー企画

【ステートメント】

制作で発生する激しさ、オリジナルなことが優先されることが自明な感じから距離をとってきた。
飛沫筆圧ストローク。
イメージは思い描いたものがそのまま現れることはない。綿布、絵の具、人の手を経て、イメージが再生される過程で劣化してゆくのでそのまま止められた方がステキなのではないか、と考えている。

樋口朋之