東京
荒木夏実
..
原井輝明−永遠の刹那−
..
写真やビデオの画像をもとに油絵を描く原井輝明の仕事は、平面作品の表現の可能性を示すものとして注目されている。リアリスティックな描写の中に、原井自身の内的心象風景が「曖昧さ」という揺らぎを伴って表出される。風景と大気、個人の物語が作り出す雰囲気には独特の力がある。本展では、故郷の山口の川や石を描いた作品が発表される。甘美な絵画のかもしだす魅力に満ちた空間が作られることだろう。
..
会場:Gallery Taga 東京都世田谷区祖師谷1-34-2(祖師谷大蔵駅より徒歩3分)
会期:1999年10月28日〜11月22日
問い合わせ:03-3483-8960
渡辺英弘展
..
トヨタ自動車がメセナの一環として若手芸術家を紹介する「トヨタコミュニティアート」の展覧会として、渡辺英弘の新作が自動車のショールームを使って発表される。都市の構造や航空機をモチーフにクールかつポップな作品を作ってきた渡辺。今回は初めてモニターを用いた映像作品のインスタレーションに取り組む。最近どんどんパワーを増して新展開をはかっている渡辺だけに、新作への期待はふくらむ。ドライブがてら、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょう。
..
会場:トヨタ西東京カローラ株式会社 桜ヶ丘営業所 多摩市関戸4-8-3
(聖蹟桜ヶ丘駅徒歩3分)
会期:1999年11月3日〜11月21日
問い合わせ:042-339-7119
学芸員レポート[三鷹市芸術文化センター]
..
10月16日(土)〜17日(日)の2日間、三鷹市芸術文化センターの企画でワークショップ「画廊探検」を行った。3人の学芸員、天野一夫さん(O美術館)、黒川公二さん(佐倉市立美術館)、黒沢伸さん(金沢市現代美術館建設事務局)の3人にご協力いただき、私を含めた4人がグループの案内役となってあちこちの画廊を見て廻った。参加者は学生から年輩の方までバラエティーに富んでいるが、画廊にはあまり行ったことがないという人がほとんどである。4グループのコース・プラン作りには随分頭を悩ませたのだが、2カ所ぐらい見た方が面白いのではと考え、銀座〜上野、月島〜銀座、恵比寿〜青山、吉祥寺〜銀座というルートを組み、画廊にアポイントメントをとって時間配分をした。心配だったのは集合場所もコースもばらばらであること。参加者には予め地図を送ったのだが、案の定当日「電車を間違えた」「集合場所がわからない」など、多少の混乱があった。
さて、私自身引率者として画廊を廻ってみると新しい発見があった。普段は目当ての作家展を中心に次々と見て歩くのだが、一軒一軒の画廊をじっくり見ながらギャラリストや作家の話を聞くのは楽しいものだ。画廊の色や知らなかった事実も見えてくる。また参加者から素朴かつ鋭い質問なども出てきて興味深い。しかし、6時半頃銀座で解散した時にはみんな疲労こんぱいしている様子で、慣れない人たちを強引につれ回してしまったかなと少し反省する。結構疲れるものですよね、画廊廻りって。
2日目は1日目に撮った写真と画廊の特徴を記入していったワークシートをもとに、グループごとに発表をし、その後案内役の座談会を行った。どのグループも相当精力的に廻ったらしく、満足度も高かったようだ。3人の学芸員の方々がとても丁寧に案内して下さったため、参加者も心からエンジョイできた様子である。また、他館の学芸員と一緒に仕事をすると様々なヒントがあり、いつも一人で動いている私にとって得るものも大きかった。小学生の時から画廊を見ていたという天野さんのハンパじゃないオタクぶり(いい意味での! )や、才能のあるアーティストを潰さずに何が何でも育てたい、守りたい、という黒沢さんの信念などには感動を覚えた。
今回の参加者たちが、今度は自分自身で画廊に足を運び、画廊廻りや現代美術の楽しさを味わってくれればと願っている。
ナガミネプロジェクツ「中村裕史展」会場にて
西村画廊
「デイヴィッド・ホックニー展」会場にて
福島
東京
愛知
兵庫
香川
岡山
福岡
home
|
art words
|
archive