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Exhibition Reviews & Guide ..

野村和弘展
4/9〜28 南天子画廊[東京]
 
  相変わらず例の作品。といっても知らない人にはわかんない。知ってる人でもわかんないけど。ここ十数年、野村が描き続けているタブローで、遠目には真っ白にしか見えないが、よく見ると赤、青、黄色の3色の点でツリー状の果樹を表わしている。今回はタブローは2点だけで、ドローイングが中心。
[4月16日〈月〉 村田真]
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[CAP HOUSE 190日間の芸術的実験]記録本展
4/13〜29 CAP HOUSE[神戸]
 
 
CAP HOUSE
以前にこのサイトでも紹介したことのあるCAP HOUSEの1999年11月3日〜2000年5月10日までの半年間のドキュメントがアートブックになった。月ごとに数人のCAP HOUSEで活動するアーティストたちが記録をまとめていった。それぞれ読みごたえ、見ごたえのある豪華本(?)になっている。本の中身はいろいろだ。たとえば、バービー人形にメイクをした「きむらとしろうじんじん」人形は、早くご本人にも見てもらいたい逸品だ。
[4月17日〈木〉 原久子]
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鬼頭明稚「トーキョーワンダーウォール・フォローアップ」展
  4/10〜27 東京都庁舎
 
 
鬼頭明稚
昨年から、石原都知事が都庁の壁面を若手作家の作品発表の場に使おうと始めた公募展、トーキョーワンダーウォール。これまで発表した10作家を1〜2人ずつ紹介していく。今回はその第1回目で鬼頭明稚。渋い色づかいで日本画風の風景や人物から、デ・クーニングの模倣までこなす。ちなみに、次回の公募の申込締切は5月31日。審査員は石原慎太郎以下、樋口廣太郎、福原義春、横尾忠則、田沼武能、本江邦夫、伊藤憲夫(笑)だ。
[4月19日〈木〉 村田真]
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汚名―アルフレッド・ヒッチコックと現代美術
  4/4〜6/17 東京オペラシティアートギャラリー
 
 
ヒッチコック
ヒッチコック生誕100年を記念して、オックスフォード近代美術館を皮切りに世界を巡回している展覧会。ヒッチコック映画に影響を受けた現代美術の展示なのだが、オブジェは少なく、写真や映像が大半を占める。もっとヒッチコック映画に親しんでいれば楽しめたかもしれないが、あいにくぼくは小学生のときテレビで「ヒッチコック劇場」を見てチビったというトラウマがあるから、だらだら流れる映像にはついていけない。もちろん、ジラルデ&ミューラーの『フェニックス・テープno.6』のように、ヒッチコックを知らなくても楽しめる作品もあった。
[4月19日〈木〉 村田真]
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高橋信行展
  4/4〜6/17 東京オペラシティアートギャラリー4Fコリドール
 
 
高橋信行展
抽象とも具象ともつかぬあいまいな形態、フラットで淡白な色彩。ここに選ばれる作家はいつも似たような印象を受けるし、トーキョーワンダーウォール、水戸芸術館のクリテリオム、VOCA展などの出品作品にもイメージが重なる。ここらへんが現代日本の絵画の典型なのかもしれない。と思ったら、高橋はクリテリオムにもVOCA展にも出していた。
[4月19日〈木〉 村田真]
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スタジオ・アッズーロ「タンブーリ」
  4/20〜6/10 ICC[東京]
 
 
スタジオ・アッズーロ
ICCの縮小リニューアルオープン展。会場で会った堀浩哉氏は、ICCが4年前にオープンしたとき「5年後には電話博物館になっているだろう」と予言したというが、当たらずも遠からず。だってICCの最大の防波堤だった中村敬治さんがやめ、NTTから来た新館長があいさつで「私はいつもここにいるわけではありませんが」と、片手間仕事であることを暴露してしまったんだもん。いつ電話博物館になったっておかしくないね。まあいいや。リニューアルオープンは、スタジオ・アッズーロの新作《タンブーリ》と旧作《コーロ》の展示。《タンブーリ》は、巨大な太鼓の表面にさまざまな人の手の平を映し出し、観客がその表面を叩くことによって手の平の画像が移動し、頭上の地球の映像に吸い込まれていくというインタラクティヴなインスタレーションだ。よくできてはいるけれど、コンセプトが先行しすぎてるって感じ。それより、十数人の半裸の男女が寝そべる映像を床に敷いたカーペットの上に映し出し、それを踏むと彼らがもどかしげに寝返りを打つという《コーロ》のほうが、より直接的に感情に訴えてくる。
[4月19日〈木〉 村田真]
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Mega-City
  4/19〜5/1 FUKUGAN PLUS[大阪]
 
 
赤塚りえ子

金子倫子
コンピュータのマザーボードを使って都市の風景のジオラマをつくった赤塚りえ子。5台のモニターを使ったビデオ・インスタレーション作品は、ロンドンの地下鉄の駅の構内や通路をひとりの女の子が現われては消え、画面から画面へと移動してゆく。既製のコンピュータのチップ等と手描きアニメというまったく質感の異なるものが、ひとつの世界としてうまく馴染んでいる。地上と地下の都市の位相をひとつの展覧会として表現している。ロンドンのゴールド・スミス・カレッジを卒業した赤塚りえ子と金子倫子の二人の若いアーティストたちにとっては、これが日本デビュー展である。そして、同じくゴールド・スミスでキュレトリアルの勉強をした富山達子にとっても日本ではじめて企画した展覧会となる。これからの彼女たちの活動に注目したい。
[4月19日〈木〉 原久子]
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