ICCの縮小リニューアルオープン展。会場で会った堀浩哉氏は、ICCが4年前にオープンしたとき「5年後には電話博物館になっているだろう」と予言したというが、当たらずも遠からず。だってICCの最大の防波堤だった中村敬治さんがやめ、NTTから来た新館長があいさつで「私はいつもここにいるわけではありませんが」と、片手間仕事であることを暴露してしまったんだもん。いつ電話博物館になったっておかしくないね。まあいいや。リニューアルオープンは、スタジオ・アッズーロの新作《タンブーリ》と旧作《コーロ》の展示。《タンブーリ》は、巨大な太鼓の表面にさまざまな人の手の平を映し出し、観客がその表面を叩くことによって手の平の画像が移動し、頭上の地球の映像に吸い込まれていくというインタラクティヴなインスタレーションだ。よくできてはいるけれど、コンセプトが先行しすぎてるって感じ。それより、十数人の半裸の男女が寝そべる映像を床に敷いたカーペットの上に映し出し、それを踏むと彼らがもどかしげに寝返りを打つという《コーロ》のほうが、より直接的に感情に訴えてくる。
[4月19日〈木〉 村田真]