オーストリアから来日した3人の若手アーティストが、自分たちの目で見た日本を作品とした。M・オステリダーは観光地でカメラをやたらに構える日本人を、もともと都市をテーマにしてきたC・テッケルトは、《Total Living Industry》という日本の私鉄による沿線の住宅開発ほかをビデオ作品とした。A・リンクはスライドとビデオを用いて、自らが出演するレクチャー形式で現代日本を語ってゆく。彼らの記録は、異文化圏から訪れた人たちが彼らの文化との相違点を語るというだけに留まらず、シニカルに痛いところをついていた。
[4月30日〈月〉 原久子]