最終日、画廊に飛び込むと1階でやっていたはずの小田英之展はもう搬出を大方済ませてしまっていた。小田さんも慌てながら、終了時間を案内に書いていなかったことを詫びながら「2階はまだ片づけてないから」と私を促す。小田さんの作風が変わったのかと思ったら、「るさんちまん」という若手のユニットの個展だった。日本語の童謡を自動翻訳ソフトにかけて英語にし、それをまた日本語に翻訳し、どんどんズレがでてきたテキストを少し並べかえ、水槽にためたスモークを幕に見立てて左右に日英同時に投影。童謡の歌詞を思わせるのどかな風景が紙芝居のように正面に映し出され。そのうち、映像はまったく童謡とは無縁の内容になってゆく。変化してゆくテンポがよかったデス。小田さんの作品はどんなものだったのだろう……。
[4月27日〈金〉 原久子]