reviews & critiques ||| レヴュー&批評 |
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ギャラリー−2 | |||
東京アートフィールド 「ヨコハマ・ポートサイドギャラリー」 パブリック・アート、アートのパブリシティ |
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ヨコハマ・ポートサイドギャラリー 総ガラス張りの前面 |
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槻橋 修 | |||
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パブリック・ギャラリー
横浜ポートサイド地区は、商業・業務地区である「みなとみらい21」地区に隣接して、80年代半ばから整備されている都心型住居地区である。マイケル・グレイブス設計による超高層の集合住宅をはじめとした、いわゆるポストモダン建築によるウォーターフロントのジェントリフィケーションが行われている。スカイラインや色彩をデザイン・ガイドラインによって規制することでつくられる景観は、周辺にくらべて確かに清潔ではある。しかし計画サイドが言うような「アメニティ豊かな」都市空間というコンセプトは、建物の形状を規制するだけで実現できるほど簡単なものではない。 |
地区の中心である ポートサイド入口交差点 エットレ・ソットサスの 屋外彫刻 |
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パブリシティは空間に従わない
現在、タイの新進作家スパチャイ・サートサーラによるインスタレーション展が行われている。1995年から96年にかけて製作された、タイ国政府の潜水艦購入に反対するメッセージを作品にしたものである。97年には、訴えの甲斐なく、潜水艦購入が決定してしまったのだが、この展示はアーティストが行った運動のドキュメントとなっている。両腕で高々と潜水艦を持ち上げる将校の像。その足元には民衆の生活を象徴する籾がら付きのタイ米の山があり、周囲には出来合いの戦闘機やロボット、GIジョーなどのおもちゃが、伝統喪失のしるしとして、像を取り囲んでいる。上空を飛ぶ無数の弾丸、ヴィデオから流れる世界各地のニュース。政治的な意図があまりにストレートに作品化されているきらいは否定できないが、それはいわばアートとパブリシティとの、もっともシンプルで、かつ強力な関係を想起させる。しかもギャラリー正面の20mにおよぶ透明なガラス面を介して、政治的プロパガンダとしてのこの作品を街路からうかがえるという点が、交差点のアート作品と相まって、この関係をさらに浮き彫りにしている。 |
両腕で 高々と潜水艦を持ち上げる 将校の像 GIジョー 上空を飛ぶ無数の弾丸 |
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『スパチャイ・サートサーラ展』 会場:ヨコハマ・ポートサイドギャラリー 神奈川県横浜市神奈川区栄町5-1 横浜クリエーションスクエア(YCS)1階 会期:1997年7月18日〜9月24日 回廊時間:午前11時〜午後6時(木、祝日休) 問い合わせ:Tel.045-461-3033 |
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写真:槻橋 修 | |||
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