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【PR】artscape × MMM 全国の美術館学芸員とセレクトした 会話がはずむ もらって嬉しいミュージアムグッズ

大澤夏美(ミュージアムグッズ愛好家)/artscape編集部

2023年12月01日号

この冬、MMM(メゾン・デ・ミュゼ・デュ・モンド)では、artscapeと連携した新企画「artscape × MMM 全国の美術館学芸員とセレクトした 会話がはずむ もらって嬉しいミュージアムグッズ」を来年1月31日まで開催中です。(追記:3月30日まで期間延長します)
MMMでは、これまで「アートとデザインを暮らしに」をテーマに、世界のミュージアムに関する情報提供やミュージアムグッズなどの販売を行なってきました。
全国の美術館・博物館から冬の贈りものにぴったりの品々をミュージアムグッズ愛好家の大澤夏美さんと、本サイトの「キュレーターズノート」に執筆していただいてるモエレ沼公園、府中市美術館、鳥取県立博物館、福岡市美術館、熊本市現代美術館の学芸員の方とともにセレクトいたしました。
師走の銀座の会場で、それぞれの館のイチ推しグッズを拝見しながら、大澤夏美さんにミュージアムグッズを選ぶときのポイントを伺いました。(artscape編集部)

オススメしたいミュージアムグッズ

モエレ沼公園


[撮影:吉屋亮]


①大澤夏美さんのオススメ
マスキングテープ(全4色)
24mm×10m
480円(税込)

②学芸員 宮井和美さんのオススメ
モエレ沼公園オリジナルトートバッグ
約330×390mm 綿100%
1,200円(税込)

モエレ沼公園にある噴水や山、ガラスのピラミッドといった施設は、三角形や円などを大胆に使ったイサム・ノグチらしいデザインです。グッズはこの幾何学形態を多用した施設群をモダンにかつ可愛らしくアレンジしています。マスキングテープはおみやげにもぴったりで、当公園のショップでも人気です。同じデザインシリーズのトートバッグは、大きすぎずサブバッグとしてちょうどいいサイズ。私もお気に入りでよく使っています。(宮井和美さん)



[撮影:吉屋亮]


大澤──モエレ沼公園はいろいろなモチーフが幾何学的なんです。それがデザインに落としこむと、すごく映えるんですよ。マスキングテープは種類豊富でかわいい。

──「公園」と言いつつ、イサム・ノグチはこのなかにあるものをすべて彫刻作品としてつくっているんですよね。

大澤──これはモエレ沼公園の写真のカードセットですね。

──ピラミッドや丘と春夏秋冬の空や背景の風景とのマッチングが素晴らしい。この公園に行ったとき、イサム・ノグチが自然の荒々しさも優しさもこの公園のなかで再現しようとしたんだと感じました。このカードを見て思い出しましたよ。

大澤──それは広大な北海道だからこそ実現できたものですね。

──このトートバッグは私も愛用しています。使い倒してもう2枚目。


■ ミュージアムショップのサイト:https://moere.shop-pro.jp


府中市美術館


[撮影:吉屋亮]



①大澤夏美さんのオススメ
徳川家光「兎図」オリジナルトートバッグ(「動物の絵 日本とヨーロッパ」展)
2,000円(税込)

②学芸員 大澤真理子さんのオススメ
与謝蕪村 自画賛「涼しさに」
約250×250mm 綿100%(今治タオル)
1,300円(税込)

2021年に開催した「与謝蕪村 『ぎこちない』を芸術にした画家」展のオリジナルグッズ。展覧会図録の表紙にもとりあげられたかわいらしい脱力系のウサギさんが刺繍されたタオルは、使うたびにくすっと笑みがこぼれる一品。日常をちょっと特別な気分で彩るミュージアムグッズの中でも、肌身離さず使うタオルは贈ってももらってもうれしいアイテムです。(大澤真理子さん)



[撮影:吉屋亮]


──これ、現代的ですっごくかわいいですよね。ほんとに家光公が描いたんですか?

大澤──そうなんですよ。けっこう大きな紙面の真ん中の下あたりにドンと描いてあるんです。府中市美術館では江戸絵画のゆるさ、可愛さを発見できますよね。江戸と私たちとの接点をつくってくれた美術館なんだと思います。

──「かわいい」という言葉しか出てきません……。

大澤──大好きです。今日、買って帰ります。


■ ミュージアムショップのサイト:https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/goriyou/shop.html

鳥取県立博物館


[撮影:吉屋亮]


①大澤夏美さんのオススメ
因州和紙藍染アクセサリー:ピアス(ロング・ショート)、ノンホール(ロング・ショート)
ロング:5cm、ショート:3cm(金具部分含む)
各2,200円

②学芸員 赤井あずみさんのオススメ
橋本興家(はしもと・おきいえ)オリジナル風呂敷丹後ちりめん レーヨン100% 
68×68cm
2,100円(税込)

鳥取県といえば、真っ先に思い浮かべるのは「大砂丘」ではないでしょうか。数々の作家たちがこの独特な自然の造形に取り組んできましたが、鳥取県出身の木版画家、橋本興家(1899-1993)もそのひとり。「日本の城」シリーズで全国的に知られる一方、故郷・鳥取の名所風景も多く手掛けています。無彩の砂浜にハマニガナの黄色い花がアクセントとなっている本作は、砂丘の連作から。砂の質感と重なるちりめん生地に、大胆な構図を得意とする興家の特徴を生かした柄が施され、洒落た一品に仕上がっています。(赤井あずみさん)



[撮影:吉屋亮]



大澤──ダイセンオサムシをマウスパッドにするなんて、大胆ですね。実物は色がとてもきれいなので、ぜひ現地に行って見ていただきたいです。博物館のグッズはアートとからめて、見た目に面白いものをチャレンジできるというのがいいと思います。

──地元の工芸品(因州和紙)をアレンジされてグッズにしていらっしゃるというのもいいですね。

大澤──地域の伝統工芸とミュージアムグッズというのは相性がいいというので、最近やってらっしゃるところが多いです。鳥取の伝統工芸って何か、すぐ想像がつかなくても、こういうミュージアムグッズがあれば、ああ、こういうものなんだと、入り口にもなります。銀座でこれをつけていたら、すごくおしゃれですよね。紙を愛染にして丸めてつくってあって、すごく軽い。

──こちらは風呂敷ですね。

大澤──砂丘にハマニガナの黄色い花がアクセントになっている、これがきっと鳥取の原風景なんですね。めっちゃ行きたくなりますね。


■ ミュージアムショップのサイト:https://www.pref.tottori.lg.jp/289794.htm

福岡市美術館


[撮影:吉屋亮]


①大澤夏美さんのオススメ
手ぬぐい 仙厓義梵 《複数》
約90cm×33cm 綿100%
1,870円(税込)

②学芸員 宮田太樹さんのオススメ
福岡市美術館オリジナル 仙厓義梵トートバッグ《犬図》約38cm×43cm(A3サイズ) 素材:綿100%
1,430円(税込)

ゆるかわの禅画でおなじみ、博多の仙厓さんの作品がグッズになりました。特にオススメしたいのが、《犬図》のトートバックです。うつむき気味の横顔が何ともキュート。「きゃふんきゃふん」の鳴き声も可愛さを引き立てています。とってもシンプルなフォルムなので、「誰にでも描けそう」なんて思っちゃいますが、マネするのは意外と大変。しかもこの犬、なんと尻尾から描かれているのです! 上手く描こうとは思わずに無心で描くのがポイントです。(宮田太樹さん)



[撮影:吉屋亮]


大澤──福岡市美術館といえば仙厓コレクションですね。もともと仙厓さんは博多にいらっしゃったことがあるんです。地元でコレクションを持っていらっしゃる方がいらしたり。

──仙涯の絵をグッズに展開すると、こんなにかわいいものになるんですね。

大澤──年末年始にぴったりじゃないですか。てぬぐいもきちんと額装したら、また違って見えますね。手ぬぐいコレクターの方にもおすすめしたい。私、この「福かぶり猫」もめっちゃ好きで。

──おちゃめですねえ。

大澤──博多人形に「福かぶり猫」というのがあって、美術館のなかの猫といえば、ということで、仙厓の虎がモチーフになっているんです。

──このアクリルスタンドは?

大澤──アクリルスタンドはもともとアイドルの推し文化として普及してるものです。最近、ミュージアムグッズとしてのアクスタもめっちゃ増えてきていますよ。新しい流れをとりいれていらっしゃいますね。

■ ミュージアムショップのサイト:https://www.fukuoka-art-museum.shop


熊本市現代美術館


[撮影:吉屋亮]


①大澤夏美さんのオススメ
ひびのこづえ ハンカチ50x50cm チャコール / グレー / イエロー 綿100%
1,100円(税込)

②学芸員 坂本顕子さんのオススメ
絵本『どうぶつたちもこわかった』
絵と文:コーダ・ヨーコ
1,320円(税込)

2016年に起こった熊本地震は、市民の暮らしに大きな被害を与えましたが、それをきっかけに、さまざまなプロジェクトが生まれました。地元作家コーダ・ヨーコさんの絵本『どうぶつたちもこわかった』もそのひとつ。大きな災害の中で、見過ごされてしまいがちな生きものたちの命の尊さに、改めて気づくきっかけになりました。現代美術館内にはコーダさんと地元の子どもたちが描いた壁画や授乳室もあります。来館時にはぜひチェックしてみてください。(坂本顕子さん)



[撮影:吉屋亮]


大澤──実は、私自身がこのハンカチが欲しくて、今回選ばせていただいたんです。いろんなミュージアムのショップでひびのさんのハンカチを見かけますが、このハンカチはここでしか買えないんです。熊本城の向こうに見える阿蘇山、文字の載せ方も大胆で素敵です。

──昨年の夏が開館20周年で、「不思議の森に棲む服 ひびのこづえ×KUMAMOTO展」のときのオリジナルグッズなんですね。

大澤──学芸員の坂本さんが推してくださった絵本『どうぶつたちもこわかった』もいいですね。2016年の地震のときの熊本市動植物園のことが物語になっています。考えてみたら、災害のときは人間だけじゃなくて動物たちも大変だったでしょう。

──子どもに読み聞かせるのにいい絵本ですね。しかも、日英バイリンガル。これは大手書籍ネット通販では買えないみたいです。

大澤──じゃあ、これも買おう。

──どれもこれもかわいくて、いっぱい買わないといけなくなりますね。

大澤──そうなんですよ。このフェアは、企画してる人が率先して散財します(笑)。このクジャクのブローチもいいですねー。

──私はこの情けない顔しているアナグマがいいです。

■ ミュージアムショップのサイト:https://sites.google.com/view/camkshop

ミュージアムグッズが表わすもの


大澤夏美さん[撮影:artscape編集部]


──今回グッズを並べるだけではなく、ミュージアムの概要や写真と一緒にご紹介できたのがよかったですね。やっぱりミュージアムとグッズは切り離しては考えられないものだと、あらためて思いました。

大澤──グッズはミュージアムのメディアだというお話を前の記事でさせていただいたのですが、その意図を汲んでいただいたようなレイアウトで嬉しいです。また、北海道から熊本まで、地方のミュージアムをバラエティに富んでご紹介できてよかったです。

──大澤さんのグッズを見るときのポイントを教えてください。

大澤──まずそのミュージアムのオリジナルグッズを中心に見ます。オリジナルといってもロゴだけ載せているとか、コレクション作品を使っているとかいろいろな種類があるんです。ミュージアムグッズとは、そのミュージアムの財産を活用して独自につくったものですよね。では、その財産は何か、そのミュージアムは社会のなかでどうありたいか、これからどのようにしたいのか、ミュージアムやグッズの作り手が考えていることがミュージアムグッズに表われると思っています。たとえば、ロゴや建築、収蔵品などいろいろあるなかで、そのミュージムが自分の財産だと考えたものがグッズに出るんだと思います。

たとえば府中市美術館なら、家光の絵画は人気で、これを江戸絵画を見てもらうための入り口にしたいんだなとか、モエレ沼公園だと、彫刻のデザイン性を打ち出したいのかな、など考えて見ています。

──今回のフェアは年末年始の贈り物をテーマにしています。贈り物をするのがお好きだそうですね。

大澤──そうなんです。あの人にこれを贈ったら喜んでくれるじゃないかと考えることが、ギフトの一番の楽しみです。

ミュージアムグッズを贈るときは、あの人にこの作品を見てほしいと思って買います。たとえば家光の絵だったら、お子さんのいる友人に贈って、そのお子さんにこの絵を見せたら、どんなふうに思うかなとか。手紙をつけたいときは、収蔵品のポストカードも一緒に買って「あなたと今度この絵を一緒に見てみたいです」と書いて贈るとか。贈られた人は現地に行ってみたくなりますよね。足を運ぶきっかけをギフトでつくれるんじゃないかと思います。

──今回、大澤さんのご著書も一緒に置かせていただきました。

大澤──『ミュージアムグッズのチカラ』は私が初めて出した本です。ミュージアムグッズとは、私たちをミュージアムに誘うものです。作った人の作品や資料へのリスペクトを感じるものだったり、博物館の活動や何を守っているのかなど、手にとった人に興味をもってもらえる、そういったものがミュージアムグッズのもっている力だと思っています。実際に、グッズを作ってらっしゃる方にも制作のプロセスについてインタビューをしました。いろんな地域のいろんなグッズ、ミュージアムの種類もさまざま取り上げています。

目次は「かわいいを楽しみたい」「感動を持ち帰りたい」「マニアックを堪能したい」「もっと深く学びたい」など、買う人の欲望別にしています。読みすすめていくうちに、どんどん沼が深くなっていく構成に。これは、コロナ禍につくった本なのですが、カメラマンさんもデザイナーさんも札幌のクリエイテイターです。そんなことにもこだわってつくった本です。ぜひお手にとってご覧ください。


※本企画開催にあたり、ご協力いただきました多くの皆様に心より感謝申し上げます。

「artscape × MMM 全国の美術館学芸員とセレクトした 会話がはずむ もらって嬉しいミュージアムグッズ」

会期:2023年11月25日(土)~2024年3月30日(土)*好評につき期間延長
会場:MMM(メゾン・デ・ミュゼ・デュ・モンド)3階アートスペース(東京都中央区銀座7-7-4 DNP銀座アネックス)
休館日:日曜・祝日、12/28~1/8
*B1Fライブラリは、月曜日休館
公式サイト:
ホームページ https://www.mmm-ginza.org
X(旧twitter) https://twitter.com/mmm_ginza
YouTube「銀座MMMチャンネル」https://www.youtube.com/@ginzammm/featured



[撮影:吉屋亮]


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