今年8月から渋谷のユーロスペースで始まり、現在は全国各地にその上映場所を移している「パフォーマンス・アート:身体と空間をめぐる映画祭」。合計4プログラム5作品のドキュメンタリーからなる特集上映ですが、東京在住の筆者はこの夏、予定の隙間を見つけては劇場に足を運び、なんとか全作コンプリート(それを可能にしてくれた長期間のプログラム編成に感謝)。そのいずれもが観に来てよかったとしみじみ思える作品たちでした。

夏の日差しがもはや懐かしい[筆者撮影]
折角なら全作観ようと思えるこの「映画祭」のサイズ感も心地良く、作品同士の連関にはっとするだけでなく、そこで観たものが別の場所や次の季節でまた別のものに出会わせてくれる、というおまけのような循環も。例えばプログラムDの『ナム・ジュン・パイク 月は最古のTV』(アマンダ・キム監督、2023)を観た後にワタリウム美術館の「没後20年 ナムジュン・パイク|じゅげむ展」(11月23日まで)を観ると、彼の作品のなかの音楽やパフォーマンスの部分に自然とフォーカスするようになったりと、また体験が変わります。あるいはピナ・バウシュとヴッパタール舞踊団の欧州ツアーを追ったプログラムC『ある日、ピナは尋ねた…〈2Kレストア版〉』(1983)は日本でも近年注目が集まる映画監督シャンタル・アケルマンによるもので、ちょうどこの10月にはアンスティチュ・フランセで「シャンタル・アケルマン映画祭2026」が開催されるようです(10月2日~24日の金・土・日のみ)。
気象的には春と秋がほぼなくなった、と言われるようになって久しいこの数年ですが、例年に比べると暑さの体感も控えめだった東京の夏は長雨のうちに忽然と去り、今年は秋がちゃんとありそうな気配です。秋のアートイベントのラッシュに週末の予定がパズルになってきている方も多いかもしれませんが、夏の続きの秋、秋の続きの冬。今年の最終クォーターも、まだまだ楽しんでいきましょう。(g)