まずは地域を語るもののアーカイブということから、岐阜県博物館を見てみよう。これは関市にあって、県の全体、そして過去から現在までをバランスよく見渡せる博物館のようである。「資料案内」から「岐阜県の地域情報検索」に入ると、県にまつわる5,000点以上の写真を検索することが出来る。キーワードを入れなくても多くのカテゴリーから検索することが可能で、美術系の写真は鮮明でないものも多いが、屋外のさまざまな状景を撮影したものなどは興味深い。点数は多くないが、風土記映像(動画)を見ることができるのもよい(Real Player プラグインが必要)。このようにサイト全体で岐阜県のおおよそをつかめるものとなっている。あえて注文をつけるならば、展示全体をネット上から概観する機能に「クイズつき展示案内」というものがあって、子供向けにはいいかもしれないが、これほど多くの項目にクイズがついているのはわずらわしい。
一方、当サイト(アートスケープ)にリストアップされている個々の地域の博物館には、期待したものがあまり見られない。可児市のものは画像が乏しく、飛騨・高山関連は観光案内にとどまっているものが多い。それでも一宮と高山の中間にある明宝村立博物館は、廃校となった小学校校舎を利用したもので、村民から提供された収蔵品の多くを検索することができる。画像表示に到達するまでクリック数もそれほど多くなく、わかりやすいのはよい。ただ、画像があまり鮮明でないのは惜しいところで、できれば今後撮り直しを望みたい。