藤幡正樹:不完全さの克服
イメージとメディアによって創り出される、新たな現実感。
1980年代、CGやアニメーション制作から出発した藤幡正樹は、その後、デジタル・テクノロジーの飛躍的な発達にあわせ、それらの芸術表現における可能性を追究し、アートの未踏領域に果敢に挑戦してきました。そのオリジナルな哲学と遊び心に満ちたアイデアから生み出された作品やプロジェクトは、従来の表現メディアでは見えてこなかった様々な課題を提起し、国内外から高い評価を得ています。
藤幡は、これまで作品を制作するなかで、「コンピュータによって表現された世界よりも、現実の方が不完全なのではないか?」という独自の視点で思索を重ね、新しいメディアによってこの現実を超えた世界を出現させること、すなわち「不完全さの克服」を試みてきました。藤幡の過去最大の個展となる本展では、彼が活動の初期から取り組んできたこのテーマに沿って、新作3点を含む近年の仕事を紹介いたします。 |
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