2019年06月15日号
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《ゴドーを待ちながら》サミュエル・ベケット

En attendant Godot(独), Waiting for Godot(英), Samuel Beckett

フランスの劇作家サミュエル・ベケットによる二幕ものの戯曲で、不条理演劇の代表的作品。1952年に出版され、翌年1月5日にパリのバビロン座で初演。多くの非難と少数の賞賛が巻き起こるも、上演は100回を超えた。ベケット自身による英語版(1954)の台本には「二幕の悲喜劇」と副題がついている。主人公はエストラゴンとヴラジーミルという男二人で、二人は「ゴドー」という人物が来るのを木の前で待ち続ける。二人の前にポッツォと彼によって首に綱をかけられた従者ラッキーが現われ、男二人と対話する。その後、ひとりの男の子がゴドーからのことづてがあると言いながら現われる。もし来れば「わたしたちは救われる」とヴラジーミルは言うものの、ゴドーは最後までけっして現われない。「ゴドー」は「ゴッド(神)」のもじりであるとの解釈があり、実際、キリスト教的な読み取りのできる箇所がいくつか指摘できる。とはいえ、本作はそうした解釈に一義的に限定できるものではない。テクストは多様な解釈に開かれており、観客は解釈することを通じて作品の能動的な参加者となるよう促される。

著者: 木村覚

参考文献

  • 『ゴドーを待ちながら』, サミュエル・ベケット(安堂信也、高橋康也訳), 白水社, 1990(原著1952)
  • 『西洋演劇用語辞典』, テリー・ホジソン(鈴木龍一、真正節子、森美栄、佐藤雅子訳), 研究社出版, 1996(原著1988)

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