2019年12月01日号
次回12月16日更新予定

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《サイト》ロバート・モリス

Site, Robert Morris

美術作家として知られるロバート・モリスが1964年にジャドソン記念教会で上演した、《ウォーターマン・スイッチ》(1964)や《チェック》(1965)などと並ぶ代表的なパフォーマンス作品。モリス扮するひとりの男が白いマスクをし、Tシャツ姿で作業手袋をはめ、8フィート×4フィートの白い合板を運搬する。ここでは、文字通りのタスク・パフォーマンスが行なわれていると言える。音響には工事現場のドリルの音が用いられた。3枚目の合板を取り除くと、そこに出現するのは、マネの《オランピア》(1863)に描かれた娼婦に扮して裸体で寝そべるキャロリー・シュニーマンである。静止したまま観客にじっと目を向けたシュニーマンの顔や体は白く塗られている。クレメント・グリーンバーグは、《オランピア》において裸体をべた塗りに近い仕方で白く描いたように、フラットネスへの傾向を先駆的に示したマネを最初のモダニストとみなした。このシュニーマンへの演出では、モリスを含むミニマル・アートの作家たちが批判的に向き合っていたグリーンバーグに対するアイロニカルな仕方での参照が行なわれていると解釈されている。また、モリスの着けたマスクはジャスパー・ジョーンズへの、《オランピア》の引用は《モナリザ》の複製品を自分の作品として用いたマルセル・デュシャンへのオマージュと考えられている。

著者: 木村覚

参考文献

  • Judson Dance Theater: Performance Traces, Ramsay Burt, Routledge, 2006

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