2019年12月01日号
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《サヴォア邸》ル・コルビュジエ

Villa Savoye, Le Corbusier(仏)

ル・コルビュジエとその従兄弟であるピエール・ジャンヌレによって設計された《サヴォア邸》は、インターナショナル・スタイルを代表する建築であるだけでなく、近代建築史上、最も重要な建築物のうちのひとつである。1931年パリ郊外ポワシーに建てられた、鉄筋コンクリート造3階建の住宅であり、40年まで別荘として使用されていた。その後、国の管理下に入り、幾度となく取り壊しの計画が建てられたが、最終的には、85年から97年のあいだに改修され、フランスの歴史的建築物に指定された。20年代にすでに世界的な建築家としての名声を得ていたル・コルビュジエは、《サヴォア邸》の設計にあたり、施主からの最小限の要望と予算の制限のほかは、ほとんど自由に設計することが許されており、その結果、自身が設定した近代建築の五原則(「ピロティ」「自由な平面」「自由な立面」「独立骨組みによる水平連続窓」「屋上庭園」)のすべてが、明確に高い完成度で実現されている。そのほか、1階から屋上までを回遊するスロープや、船を連想させる円筒形の手すりなどが特徴的で、なかでも車寄せとして機能するピロティは、シトロエンの回転半径に合わせてスムーズにガレージに車が出し入れできる設計となっており、ル・コルビュジエの近代産業に対するオマージュが見て取れる。

著者: 有山宙

参考文献

  • 『Villa Savoye ル・コルビュジエ サヴォア邸』, 二川幸夫編、隈研吾, エーディーエー・エディタ・トーキョー, 2009
  • 『サヴォア邸 ル・コルビュジエ ワールド・アーキテクチャー』, 山名善之, バナナブックス, 2007
  • 中村研一, 『サヴォワ邸/ル・コルビュジエ』, 東京書籍, 2008
  • The Villas of Le Corbusier and Pierre Jeanneret, 1920-1930, Revised and Expanded Edition, Tim Benton, Birkhauser, 2007
  • Le Corbusier: La Villa Savoye, Jacques Sbriglio, Birkhauser, 2008

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