2019年06月15日号
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《サーカス(アイアンワークス/フォトデス)》クレス・オルデンバーグ

Circus(Ironworks / Fotodeath), Claes Oldenburg

1961年の2月にリューベン・ギャラリーで上演された、クレス・オルデンバーグの代表的なパフォーマンス作品。表題の「サーカス」とは、同時に行なわれる複数の演し物を組み合わせた上演形式に由来しており、舞台にはサーカス小屋を連想させる白熱電球の弱い明かりが灯された。全34のイヴェントで構成され、全体は7つのセット(「アイアンワークス」が4セット、「フォトデス」が3セット)に分けられていた。イヴェントにはそれぞれ上演されるゾーンが決められ、明かりの点灯と消灯によってセットの開始と終了が知らされた。例えば「フォトデス」の第一セットは次のとおりである。男性がポケットから多数の鏡を取りだして自分の顔を眺め、悦に入る(ゾーン1)。女性が軍帽を被り、愛国者的なポーズをとる(ゾーン2)。レスラーはピンクの布袋とレスリングを行なう(ゾーン3)。男装した女性が化粧台の前で服を脱ぎ、女性用下着をまとった自分に感心したあとで、また男装し始める(ゾーン4・左)。別の男性はカメラを手に三人家族を連れてくると、彼らに撮影のための背景の見本を見せる。背景を決めて写真を撮ろうとすると、三人は倒れてしまう。別の背景に変えても同じことが起こる(ゾーン4・右)。各ゾーンごとに独立して演じているパフォーマーたちはみな自分の行為に没頭し、そうすることで行為する身体はそれぞれがひとつのオブジェと化した。こうした身体表現のあり方は、当時のハプニングのみならずポスト・モダンダンスにも通底する特徴といえる。

著者: 木村覚

参考文献

  • Happenings and Other Acts, Mariellen R. Sandford, Routledge, 1995
  • Claes Oldenburg: Anthology, Guggenheim Museum Pubns, 1995

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