2019年06月15日号
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《セールスマンの死》アーサー・ミラー

Death of a Salesman, Arhtur Miller

アメリカの劇作家アーサー・ミラーによる1949年の戯曲で、フルタイトルは《セールスマンの死 二幕と鎮魂曲からなるある私的な会話》。47年の《みんな我が子》がロングランし、その才能は認められていたが、本作の成功でミラーの評価は不動のものとなった。ニューヨークのモロスコ劇場で初演、演出はエリア・カザン、主役のウイリーはリー・J・コップが務めた。主人公ウイリーは60才を過ぎたセールスマンで、開拓時代とは異なる20世紀のアメリカン・ドリームとして、ビジネスで成功することを夢見ているが、その夢も叶いそうにない。物語の中心に据えられているのは、アメリカ文明の犠牲者を象徴する父ウイリーと、父のような生き方から逃れて自分らしく生きようとする息子ビフとの葛藤である。深夜の帰宅から翌晩の自殺に至るまでという時間のなかで、過去のさまざまな出来事を映画のフラッシュバックに似た手法でとりあげることで主人公の頭の内部(当初、タイトルは《彼の頭の内部》であったと言われている)が描かれた。トニー賞、ニューヨーク劇評家協会賞、ピューリッツァー賞を受賞。日本での最初の上演は、滝沢修、小夜福子、宇野重吉らの出演で、54年に劇団民藝によって行なわれた。51年にはラズロ・ベネディク監督が、85年にはフォルカー・シュレンドルフ監督が映画化を行なった。

著者: 木村覚

参考文献

  • 『セールスマンの死』, アーサー・ミラー(倉橋健訳、岡崎凉子解説), ハヤカワ演劇文庫, 2006
  • 『悲劇喜劇』(11)No.325, 特集=セールスマンの死, 早川書房, 1977
  • 『立命館国際研究』Vol.19-2, 「『セールスマンの死』のテーマと技法 成功の夢、父と子の葛藤と『意識の流れ』の舞台化」, 及川正博, 2006

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