2019年09月15日号
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《トリアディック・バレエ》オスカー・シュレンマー

Triadic Ballet/Die Triadische Ballett(独), Oskar Schlemmer

ドイツの画家・彫刻家として知られ、バウハウスのメンバーであるオスカー・シュレンマーが1922年に初演した、人間の身体に変容を加えるコスチュームをまとったダンサーたちによるバレエ作品。「演劇の歴史は人間の形態変化の歴史である」と述べることになるシュレンマーは、人間の身体に変容を加えるコスチュームをまとったダンサーたちが舞台で踊るバレエを、22年9月30日にシュツットガルトのヴェルデンベルク国立劇場小ホールにて初めて上演した。作品は翌年、ワイマールのドイツ国立劇場、ドレスデンのドイツ労働党の恒例イヴェントでも上演された。トリアディック(triadisch)とは、3という数字を重要視するシュレンマーがダンスの創作原理として用いた、さまざまな三つ組の総称である。形と色彩と空間の一体、三次元(高さ・奥行・幅)の一体、球・立方体・円錐の一体、赤・青・黄の一体、ダンス、衣装、音楽の一体などをさす。作品は三部構成で、第一部はイエローの舞台におどけた道化芝居、第二部はピンクのたれ幕を用いた荘厳で祝祭的な舞台、第三部は黒い空間に神秘的で幻想的な舞台であり、構成がクラシックバレエに類似していると評された。É・ダルクローズやR・ラバンに端を発する、当時興隆していた表現舞踊(モダンダンス)とは対照的に、シュレンマーはドイツにおいてバレエの革新を試みた。「動く建築物」「結合されたあやつり人形」「機械的人間」「非具体化表現」をもとにした衣装が特徴的であり、機械化の時代を代表するダンス作品である。

著者: 木村覚

参考文献

  • 『Oscar Schlemmer-The Triadic Ballet』 (オスカー・シュレンマー [トリアディック・バレエ]) 日本公演パンフレット, ダーク・シェーバー他, テレビ朝日、伊勢丹, 1989
  • 『バウハウスの舞台』(バウハウス叢書4), オスカー・シュレンマー、ラースロー・モホリ=ナギ、ファルカシュ・モルナール(利光功訳), 中央公論美術出版, 1991

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