2019年06月15日号
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《牧神の午後》ヴァーツラフ・ニジンスキー

L'Apres-midi d'un faune(仏), Вацлав Фоми́ч Нижи́нский

1912年に振付家でダンサーのヴァーツラフ・ニジンスキーが初めて振付・台本を手がけ、自ら主演した、バレエ・リュスの代表的作品。音楽はクロード・ドビュッシー、美術・衣装はレオン・バクストによる。パリのシャトレ劇場で初演。マラルメの詩《半獣神の午後》と、それに触発されてドビュッシーが書いた《牧神の午後への前奏曲》に対し、大胆な性的表現を用いた演出によってニジンスキーが舞台化したものである。古代ギリシャの神話的なキャラクターである牧神が、ニンフ(妖精)たちとエロティックな戯れを行なうというのがおおよその筋で、ダンサーたちが主として横向きになってポーズをとり踊るところは、バクストがニジンスキーに提案した、古代ギリシャの壺などに多く描かれた横向きのポーズをモデルにしたものであると考えられている。ダンサーの移動に関しても奥行きをほとんど用いず、下半身を必ず横に向けたまま、横歩きで進んだ。そうした試みは、三次元の舞台を二次元的なものにする効果を舞台に与えた。初演された時、ニジンスキーによるあからさまに自慰を示唆するラストシーンなど、舞台は全編にわたってエロティックな象徴表現に満ちていたため、観客は熱狂と抗議の叫びを挙げたと言われている。

著者: 木村覚

参考文献

  • 「ディアギレフのバレエ・リュス 舞台美術の革命とパリの前衛芸術家たち 1909-1929」展カタログ, セゾン美術館、一條彰子編, セゾン美術館, 1998
  • 『舞踊と身体表現』, 「ニジンスキーの身体 身体の脱制度化とセクシュアリティ」, 鈴木晶, 日本学術協力財団, 2005

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