2019年12月01日号
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《落水荘》フランク・ロイド・ライト

Fallingwater, Frank Lloyd Wright

1936年にペンシルヴァニア州ピッツバーグ近郊に建てられた、フランク・ロイド・ライトの代表作とも言える住宅である。施主はピッツバーグの百貨店のオーナーであるエドガー・J・カウフマンで、当初の予定を大幅に超える工費にもかかわらずあくまでデザインを優先し、ライトの思い描いた通りのカントリー・ホームが実現した。この住宅の白眉は、なんといっても滝の真上に配した住宅の配置計画にある。キャンチレバーによって滝の上に大胆に張り出されたバルコニーを滝の下から見上げる構図は、落水荘の代名詞となっている。バルコニーと欄干における水平方向の指向性と、自然石の積み上げによる垂直方向の指向性が組み合わさり、背景の森と滝の間にまるで彫刻のように浮かび上がる《落水荘》の姿に、世界中の人々が惹きつけられた。また、内部空間に目を向けると、外部と同じ自然石の積み上げがなされ内外の連続性が図られているほか、大きな岩棚がそのまま暖炉の炉床として使用されるなど、自然と建築と人間の調和が巧みに図られている。63年に落水荘は所有者から西ペンシルヴァニア州保存委員会に寄贈され、幾度もの改修を受けながら近代建築史のモニュメントとして生きながらえている。

著者: 岡村健太郎

参考文献

  • 『巨匠フランク・ロイド・ライト』, デヴィッド・ラーキン、ブルース・ブルックス・ファイファー編(大木順子訳), 鹿島出版会, 1999
  • 『フランク・ロイド・ライトのモダニズム』, 三沢浩, 彰国社, 2001
  • 『フランク・ロイド・ライト 落水荘』(GAトラベラー003), 二川幸夫編, エーディーエー・エディタ・トーキョー, 2003

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