2019年09月15日号
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「アート・クライムス」

“Art Crimes"

インターネット上でグラフィティの紹介を始めた世界初のウェブサイト。1994年5月にスーザン・ファレルがプロジェクトに着手し、同年9月に写真家ブレット・ウェッブの協力のもと一般公開した。開設以来、米国およびヨーロッパを中心にさまざまな国のグラフィティの写真を掲載し、2004年の時点でそのアーカイヴは数千枚、世界445都市に及び、1日に5万人が本サイトを閲覧していたとされる。現在、グラフィティやストリート・アートをインターネット上で紹介するウェブサイトは世界中に数多くあるが、「アート・クライムス」はその草分け的存在であり、また最も大規模な情報量を提供しているもののひとつである。00年以降、多くのストリート・アーティストはインターネットを個人の重要な情報発信源として活用し、時にはインターネットで公開することを前提にした実践も散見されるが、その前段階として、このようなポータルサイトの存在と役割を考える必要がある。特にグラフィティ文化がグローバルなモビリティとともにネットワークを形成することで伝搬し、熟成したことを踏まえれば、世界のグラフィティ・ネットワークを可視化し、保存するポータルサイトはその歴史と並行しつつ補完してきたと言うことができるだろう。他方、「アート・クライムス」が写真を中心としたグラフィティのヴィジュアルのみではなく、グラフィティ・ライターのインタヴューやグラフィティに関するさまざまな文章をアーカイヴしていることは特筆されてよい。このようなインターネット上でのテキスト資料の蓄積はほかに例がなく、グラフィティやストリート・アートをめぐる言説が不足するなか、貴重な参照源となっている。

著者: 大山エンリコイサム+荏開津広

参考文献

  • アゲインスト・リテラシー ─グラフィティ文化論, , 大山エンリコイサム, LIXIL出版, 2015

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