2019年11月15日号
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「ツァイトガイスト」展

“Zeitgeist: Internationale Kunstausstellung, Berlin 1982”(独)

1982年、ベルリンの壁に隣接したマルティン・グロピウス・バウにおいて開かれた国際的な展覧会で、欧米の作家45組による約240点の作品で構成された。同年の「アヴァンギャルディア・トランスアヴァンギャルディア68-77」(ローマ)、前年の「ア・ニュー・スピリット・オブ・ペインティング」(ロンドン)、翌年の「ミニマリズムから表現主義へ」(ニューヨーク)などとともにネオ・エクスプレッショニズム(新表現主義)の名声を高めた展覧会である。キュレーターは、ロンドンの展覧会と同じくC・M・ヨアヒミデスとN・ローゼンタールが務めた。「ツァイトガイスト(時代精神)」とはある時代の特定の領域に顕在/潜在的に共通する人間の精神的態度、様式、理念を示すドイツ哲学由来の言葉であるが、「造形芸術における徹底的な変化を予告する今日の芸術的提言のメタファー」として展覧会タイトルに据えられた。その「徹底的な変化」とは「主観性」「夢想」「神話」「苦悩」「美しさ」の美術における復権であり、それが幾人もの芸術家の作品において結実しているという現状把握がタイトルに示されたのである。選出された作家の過半数は、「アカデミックな、硬直の状態にあるミニマリズムの明確な対抗ポジション」に立つと見なされた新しい世代であった。例えば、G・バゼリッツ、A・キーファー、J・インメンドルフ、A・R・ペンク(西ドイツ)、F・クレメンテ、S・キア、E・クッキ(イタリア)、J・シュナーベル、J・ボロフスキー(アメリカ合衆国)など。また、彼らとは一線を画すA・ウォーホル、J・ボイス、C・トンブリー、J・クネリスら先行世代の作家も参加したが、上述の展覧会コンセプトのもとで新たな様相を表わすものとして展示された。特にボイスの作品は今日の芸術の「イデー」として求められる「希望」「予感」「憧憬」を持つ作品として最も高く評価され中心的な場所に展示されたが、全般的にも西ドイツが現代美術において最前線にあることを示した展覧会といえるだろう。

著者: 長チノリ

参考文献

  • ZEITGEIST, Katalog der Internationalen Kunstausstellung, , Christos M. Joachimides / Norman Rosenthal (Hrsg.), Martin-Gropius-Bau

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