2019年06月15日号
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「パラレル・ヴィジョン」展

“Parallel Visions: Modern Artists and Outsider Art”

1992年、ロサンゼルス・カウンティ・ミュージアムが企画・主催し、いわゆる「アウトサイダー・アート」に括られる表現者たちが近代以降の芸術家たちに与えた影響を検証した記念碑的展覧会。86年に同館が開催した「芸術における霊的なもの 抽象絵画1890-1985」展の続編として構想された。H・ダーガー、アロイーズ、A・ヴェルフリほか34名の「アウトサイダー」と、P・クレー、M・エルンスト、A・アルトー、C・ボルタンスキーなど40名の「インサイダー」を紹介。美術館でアウトサイダーの美術を展示した例はこれ以前にもあり、たとえばアルフレッド・バーJrが監修し、精神病患者や子どもの美術を比較用資料として含めた「幻想芸術、ダダ、シュルレアリスム」展(ニューヨーク近代美術館、1936)を挙げることができる。他方、「パラレル・ヴィジョン」展はアウトサイダーとインサイダーを同一の枠のもとに扱い、「近代主義的な美術史の規範の外にある人々の作品に権利を与える」という企画意図を表明した。93年、マドリード、バーゼル、東京を巡回。世田谷美術館での日本展では「日本のアウトサイダー・アート」展が同時に企画され、古賀春江、山下清、草間彌生、みずのき寮の知的障害者らよる10数点の作品が追加された。本企画を含め、日本国内においてこれだけ多くのアウトサイダー・アートが一堂に会するのは初めてのことであり、その存在を日本で認知させる契機となった。

著者: 中島水緒

参考文献

  • 「パラレル・ヴィジョン 20世紀美術とアウトサイダー・アート」展カタログ, モーリス・タックマン、キャロル・S・エリエル編, 淡交社, 1993
  • 「日本のアウトサイダー・アート パラレル・ヴィジョン 20世紀美術とアウトサイダー・アート」展カタログ, 塩田純一ほか編, 世田谷美術館, 1993

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